「書とは何か」と尋ねられたら、みなさんはどう答えますか？ただ手本をまねて書くことですか？もしそうであるならば、書は芸術や表現ではないということなのでしょうか？
　書について、もう少し考えてみましょう。書とは、作者が対象（紙）にふれ、一点一画書き進んでいく中での触覚的感覚とこの痕跡（筆蝕ひっしょく）によって書き出される世界、すなわち「筆蝕の芸術」なのです。したがって、書の学習（＝臨書）とは、その書きぶり（筆蝕）を読み、再現することであり、それはおとなも子どももみな同じです。
　書の学習は、身辺で日常に接する文字の書きぶりの模倣から始まり、先生の手本を経て、やがて古典を学ぶことになります。古典に興味を持ち、学ぶことに早いも遅いもありません。さあ、みなさん、本当に魅力的な書の世界を一緒に学んでいきましょう。